源氏兄弟、双騎出陣!

「アタシは今、何を観ている?」

源氏兄弟の双騎出陣を観たとき、一番最初に思った言葉。でもそれは決してネガな意味ではなく、心地のいい混乱だったんだよね。


っていうのも、清光単騎のイメージがあったから、多分双騎も源氏のライブなんだろうと思ってたんですよ。パフォーマンスすごい2人だし、超楽しいだろうな~って。花組芝居の人も出るから特別な演出もあるんだろうな~~~程度にしか思ってなかったんです。

でも、公演が近くなって上演時間が発表されたとき、2部制だってことがわかりました。

 

有識者(?)たちは「SOGA」のサブタイから「曽我物語だー!」ってなってたんですけど、こちら歌舞伎に関しての知識がほぼゼロだったんで、そうなのか~程度にしか思ってなかったんです。


そんな状態で行ったもんだから、そりゃあびっくりしましたよ。冒頭のようになりました。なりましたけど、そこは物語がグイっとひっぱってくれて。

「源氏兄弟が『曽我兄弟』を演じる」という二重構造に驚きつつも、このカンパニーはまだまだ表現に挑戦し続けるんだなぁ!っていう嬉しさの方が大きかったです。だってこんなの、観客を信頼してなくちゃできない表現だよ?


実体がある刀もない刀も、そこにある物語は誰かが語り継いできたもの。そもそも歴史だって誰かが残したからそこにあるんだしね。

そして「曽我物語」も長きにわたり語り継がれてきたもの。だからこそ、これからも語り継いでいくのだと。2.5のジャンルにいながら、こんな形でバトンを渡されるだなんて思ってもみなかったよ。


実際、賛否両論あったけど、全員が100パー望んでる形になることなんてありえないのだから、そのなかで自分はどう感じたかっていう思いを大事にしてあげればいいと思うよ。源氏兄弟が源氏兄弟として出ていないことにショックを受けたなら、その思いを大事にしてあげてください。「これは高尚なものだから理解しなくちゃいけないんだ」みたいに無理に思う必要なんて全然ないから。


アタシはというと、知らない世界を刀ミュを通じて、刀ミュの表現として見せてもらえたことに感謝してるし、なんならめちゃくちゃ興奮して、帰り道友だちに「いやーすごいな、すごい。なんだこれ!」(刀ミュだよ!)と言いまくってました。


ちなみに一緒に行った友達はこれが初刀ミュだったんですけど、めちゃくちゃパニックになってて二部が始まったときに「これは刀??????」って聞いてきました。気持ちはわからなくもないw 初見殺しかもね、確かに。


でも、表現をあきらめてほしくないです。刀ミュカンパニーが作り上げる世界が大好きなので、甘んじることなくこれからも進んでいってくださいな。


あ、そうそう、二部は期待通りというか、圧巻の源氏のパフォーマンスでした。柔と剛、それぞれの魅力が炸裂して最高どころの話じゃなかったです。そんでもって「獣」の衣装よ……腹掛けに着物風のトップス。最終的には片腕出しですよ。天才の所業じゃん……いくら払えばいいですか?(チケット代だよ!)


こうして浮かれてるうちに新作がやってきます。メガネ推しがちマシーンなので明石沼が始まりそうな予感に震えてますが、どうなる!?  待望のみほとせ続編(よね)的な作品なので楽しみだぁぁぁ!