こんな刀剣乱舞を待っていた! ー舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たちー
アタシが観たかった刀剣乱舞はこれだよ~~~~!とTDCホールの中心で愛を叫びたくなりました。最高過ぎた。これこれこれ~!刀ステくん、おかえり~~~~~(!)
テンションが迷子になりそうなのでいったん落ち着きます。
刀ステ初の幕末ということで、かなりワクワクしていました。ゲームのイベント・特命調査「文久土佐藩」をベースにしていて、龍馬や以蔵といった幕末ものではおなじみの人たちが登場します。知ってるよ!幕末はどこを切り取ってもエモくなるんだ!そしてアホみたいに創作物があるんだ!そりゃあ末満さんも二の足を踏むよね(パンフ参照)。
いきなりネガなことぶち込むんですけど、前回の慈伝があんまり肌に合わなかったんです。
だから、今回はどっちに転ぶのかドキドキしてたのですが、開幕10分くらいで冒頭のような状態になってました。これだよーこれこれこれ!
入電の演出は、PVでもちょろっとやってたので新たな驚きではなかったものの、スクリーンでドーンとでると、あぁ刀剣乱舞の世界に入ってきたんだな、とそれだけで胸が踊りました。
「特命調査」とは一体何なのか、ゲーム勢の中でもいろんな解釈があって実際のところわかってなくって。本作はそれに対してのひとつの答えが示されていましたね。
「放棄された世界とは何なのか」「その世界を放置するとどうなるのか」
「なぜそこに出陣しなくてはいけないのか」
その辺が分かりやすく描かれていてすっと入ってきました。
今回は刀が7振りということもあり、心の動きが丁寧に描かれていたのも印象的だったな。特に、元の主と対峙するむっちゃんと肥前くん。あぁ、この子たちは彼らの物語があってここにいるんだな。龍馬は言わずもがなですが、岡田以蔵なんて、オタクやってたら絶対避けて通れない必修科目じゃないですか(歴史の大きな流れで見たら、重要人物とは言い難いんですけどね)。そんな彼らの物語を一身に背負って、刀剣男士としてあり続ける2振りはとてもまっすぐで美しかったです。
人間キャストもみんなすっごく魅力的でした。特に岡田達也さんの演じる龍馬は、誰もが好きになってしまうような引力があり(さすがはプロ龍馬)、一色洋平さんの演じる以蔵は、不器用で想いだけが先走ってヒリヒリしていて。以蔵が自身の気持ちを吐露するシーンでは、その痛々しさといじらしさに、気づいたらボロボロ泣いてしまいました。刀の子たちが食われまくってたけど、あれはもう仕方がないと思う。そこから得るものはとてもとても大きいはずだしね。
鶴丸・小烏丸がこの部隊を支えているって言うのも、メタ的な部分含めて頼もしかったです。染鶴様が愉快にひっかきまわしてくれたのもよかったなぁ。あと顔がいい(いやほんとにすこぶる顔がいい)
そして、やっぱり刀ステと言ったら殺陣なんですよ。目まぐるしく動く舞台装置(ちゃんとそれにも意味があって、それが分かった時は最高に滾りました)に派手な立ち回り。今回は敵に大太刀もいました。あああああああああかっこいいいよおおおおおおお!
陸奥守役の蒼木陣くんがはちゃめちゃに動ける子だったので、キレッキレのアクションがかっこよかったですし、肥前くんがバリクソになぎ倒して行くのもよかった。背中を預けあう土方組、軽やかに舞う鳥刀たち……これよこれ!観たかった刀剣乱舞はこれ!南海先生の素っ頓狂な感じも含めて、あまりにも理想的。そしてアタシは刀と元の主の関係性にめっぽう弱いので、むっちゃんと龍馬、肥前くんと以蔵のやりとりではだいたい泣いていました。このあとどうなるか何となくわかっていたむっちゃんは「こういう形で会いたくなかった」って龍馬にいうんですけど、龍馬を見つめる瞳は常にきらっきらしてるんですよ。ずっとにこにこしていて、それこそ大好きなご主人様を見つめるような忠犬みたいな目をして。それが愛らしくって、だからこそ辛くって。近江屋事件のとき、帯刀してたのは陸奥守吉行だったという史実がまた、ここでぐっと来たりしてね。
アタシが見に行った日は東京楽だったのですが、播磨屋橋(だよねきっと)のど真ん中で胸を張って「これが、俺のカンパニーです!」って誇らしげに言ってた陣くんがほんとにすてきでした。まぶしい。まぶしすぎるよ……。そんな彼に向って、指でバン!とやる龍馬役の岡田さん……なんだあれかっこいい……(語彙死)
とまあ、観た直後はめちゃくちゃ浮かれてたのですが、時間差で、まんばちゃんみたいな遡行軍とか、ラストの鳥刀たちのセリフとか、匂わせすぎのパンフとかいろいろな仕掛けがじわじわ来てます。ここにはいったいどんな意味があるのか。あの時間遡行軍たちが欲する「物語」とはいったい何なのか。考察するには1回では足りないんですよね……なんとかしてせめてもう1回入りたい……。でも観たらヒャッハーして考察なんて忘れちゃうんだろうなw そのくらいほんとに面白かったので。
おかえりなさい、オレたちの刀ステ!