『ミュージカル 憂国のモリアーティ』観てきました。

モリミュこと「ミュージカル 憂国のモリアーティ」を観てきました。これがもう、信じられないくらい良かったです! ボジョレーヌーヴォの出来くらい毎回「最高」っていってるもんだから、あまり信頼されてないかもしれませんが、アレすぎるのも観てるんです。観てるんですけど、アレ過ぎて言いたくないんですよ。最近だと桃太郎をベースにしたアレなやつとかね。役者さんたちは頑張ってたよ!

 

話が逸れました。モリミュに戻します。

原作はジャンプスクエアで連載されているマンガなのですが、シャーロック・ホームズの敵役として登場するジェームズ・モリアーティを主人公にした物語です。モリアーティを三兄弟にした時点で、天才だと思うんですけどね、この原作。で、彼らのサイドから描いたホームズの物語って感じです。今回は3巻までを舞台化するということで、彼らの紹介的な物語になるだろうな、と、そこまでは予想していました。「ミュージカルね。歌うのね。みんなお歌うまい人たちだし、楽しみだなー。あら、ビジュアルもいいじゃない」そんな印象でした。

 

幕が上がるまで、当然ながらアタシたちはどんな舞台になるのかがわからないんだけど、今回はその様子のおかしさ(いい意味だよ)を事前に察知することができたんです。

 

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察しました。これはやばいぞ。

 


そして、いよいよ幕が上がったのですが……これがもう、さいっこーーーーーーーーーだったんですよ。(どうも、文章書いて飯食ってるものです)

 

音楽はピアノとバイオリンの生演奏のみ。想像以上に「ミュージカル」で、物語の多くが「歌」で綴られていく――。主演2人の歌唱力が暴力的だっていうのは、頭ではわかってたんですよ。わかってたんですけど、生はさらに殴ってきました。ウィリアム役の鈴木勝吾さんの、伸びやかで艶のある歌声に対し、ホームズ役の平野良さんの、ちょっとクセがあって豊かな表情の歌声。解釈一致すぎて痺れまくりました……。3兄弟のバランスも最高でしたね。ウィルの圧倒的なカリスマ性はもちろんなんですけど、個人的にはアルバートって一番恐ろしいんじゃないかと思っていて。アルバートは、ずっとうっすら笑みを浮かべているんですよ(くぼひでさんが口角上がった顔っていうのもあるんですけど)。対してルイスは常に張り詰めたような顔をしているんです。ダブリン男爵との晩餐のシーンでは、3兄弟の関係性が読み取れるような芝居をしていたのが印象的でした。ものすごく些細なものだったんですけどね。

 

上質なストーリーと演出、逃げも隠れもできない生演奏での生歌、緻密なストーリーと派手なアクション。どれをとっても素晴らしくて、2.5次元というフィールドでも、こんなに素敵な作品ができるんだということを感じました。そして、その作品によって、役者陣のポテンシャルも最大限まで引き上げられている。とくに、比較的キャリアが浅いであろう赤澤遼太郎くんと小南光司くんからそれを顕著に感じて、こういう作品があるうちは、2.5次元にはまだまだ可能性があるな、って思えました。

そうそう、アタシはシャーロキアンでもなんでもないけど、ひらりょさんが例のポーズ(かんがえる時に顔の前で手を合わせる、ホームズのお約束ポーズ)をちょいちょい入れてたのがよかったです。あと、これはごくごく個人的な感想なんですけど、メガネが大好物なので、ルイス演じる山本一慶さんメガネのビジュアルに大興奮でしたし、本気出すときにメガネ外すとことかあまりにも好きすぎて、願望が生み出した幻を見ているのかとさえ思いました……推し×メガネなんて最高に決まってんじゃん……キャスティングの人にいくら包めば??????(すぐそれ)

 

ってな感じで、舞台はおしなべてそうなんだけど、この作品はとくに生で体験することに価値があるものだと感じました。殺人が出てくるし、決して愉快なものではないのだけれども、良質な作品をみた充足感でいっぱいになりましたよ。迷ってる人がいたらまだチケットあるっぽいので行ってみてくださいな。アタシもまた観にいきます。